
ブロードウェー・ミュージカルの名作「屋根の上のヴァイオリン弾き」が、来年3月から東京・明治座を皮切りに全国で上演されることが15日、製作の東宝から発表された。主演のテヴィエ役は市村正親(75)で、妻のゴールデ役は鳳蘭(78)。最強の夫婦コンビと言われる2人の共演は5度目となる。
2021年以来4年ぶりの上演。市村は「明治座は西村晃さんの付き人時代に、最初は『町人その1』のような役で、三木のり平さんの芝居に2度ほど出ています。ただ、(1993年に)新しい劇場になってからは初めて。(近くの)人形町の食べどころも楽しみです」と心待ちにしている様子。鳳は「市村パパに寄り添い、愛と優しさとかわいさのある、ちょっぴり口うるさいゴールデを演じたい」と抱負を語った。
「屋根の上−」は20世紀初頭のロシアの寒村アナテフカを舞台に、酪農業を営むお人よしで働き者のテヴィエと妻、ゴールデの貧しいながらも幸せな日々と5人の娘たちの結婚や自立を通して、親子の情愛などを描く感動作。米ブロードウェーの初演が1964年で、トニー賞の最優秀作品賞など7部門を受賞した。
日本初演は67年で初代テヴィエは森繁久彌さんの当たり役に(初代ゴールデは越路吹雪さん)。市村は4代目として2004年から登場、今回で7度目となる。鳳とは09年から夫婦コンビを組み、息の合った掛け合いは見どころでもある。
公演は来年3月から明治座で。4月から6月1日まで、富山、愛知、静岡、大阪、広島、福岡、宮城、埼玉を回る。